2009年12月2日に亡くなられた、平山郁夫画伯の名画の1つ「仏教伝来」の主役は、
玄奘三蔵法師です。2005年に出かけたシルクロード旅行で、玄奘三蔵ゆかりの場所を
訪れました。
西遊記で三蔵法師の家来の孫悟空が活躍する火焔山(写真?)の近くに、高昌古城
遺跡があります。ここは、敦煌に近く、シルクロードの砂漠地帯が始まる、トルファ
ン盆地の一角です。
ほぼ正方形の城壁に囲まれた高昌故城は、日干し煉瓦を積み上げて建築した、広大な
遺跡です(写真?〜?)。7世紀初頭、インドに向かう途中で、玄奘三蔵が1ヶ月滞
在して説教をした円形ドーム状の講堂(写真?)は、きれいに復元されていました。
高昌故城の近くに「アスターナ古墳群」があります。古墳といっても、土が少し盛
り上がっているだけで、墓は地下を掘ったものです。古墳の主はみなミイラになって
います。ここのミイラはエジプトのミイラとは異なり、内蔵を取り出さないもので
す。博物館に展示されているミイラはかなり生々しい感じでした。
1979年に実施された、NHKのシルクロード・プロジェクトの記録、「シルクロード
第5巻:天山南路の旅」に、このあたりのことが詳しく記されています。
カラコルム山脈を越えて、現在のパキスタンからインドに着いた玄奘三蔵が持ち
帰った仏典が、西安の慈恩寺の大雁塔(高さ64m、写真?)に収められています。写
真?は大雁塔の最上階から、シルクロードの方面を見た写真です。トルファンは、西
安の西、約1,400kmの場所にあります。シルクロードの旅は時間と空間を超越しま
す。