なんでもマルチメディア(493):NGNへの期待

昨年(2006年)11月、NTTがNGN(次世代ネットワーク)の現場試験(フィールド・トライアル)を始めました。この試験開始の数ヶ月前から情報通信関係の雑誌や学会誌でNGN関係の記事が目立ち始め、単行本もいくつか出版されました。
 NGNの基礎はブロードバンドIPネットワークです。ある新聞で、「NGNに熱心なのは日本とヨーロッパの一部の通信事業者だけであり、米国ではほとんど関心がない」という趣旨の記事を見たことがありますが、1980年代に実用になったISDNでも同じようなことがありました。
NGNが産業や社会生活にもたらす影響はISDNよりもはるかに大きく、これによって新しい時代が始まると考えられます。NGNは1980年代から行われてきた多くの研究開発と失敗を含む経験の集大成といえます。「ブロードバンドIPネットワークは、ADSLやFTTHといった高速アクセス回線を使うインターネットとして、すでに実現されているではないか」という人もいますが、NGNに対する大きな期待はサービス品質保証が加わることです。現代社会を支える情報通信基盤あるいは情報流通基盤には、災害や異常事態が発生したときの堅牢性とサービス品質の保証が求められます。携帯電話やインターネットの発展の陰で衰退が進む固定電話の大きな長所は堅牢性とサービス品質保証です。
 NGNの技術を見ると、インターネットの弱点を解決することに力を入れていることが分かります。NGNの本格的な普及が進むとされている2010年にどのような状態になるのか、結果を見るのが楽しみです。
都丸敬介(2007.1.8)


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「なんでもマルチメディア(493):NGNへの期待」への1件のフィードバック

  1. テーマは次世代ネットワーク(NGN)

    世界の通信事業者が今、もっとも注目しているものは次世代ネットワーク(NGN)であ…

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