なんでもマルチメディア(494):企業の技術力

新年早々、米アップルが新製品の携帯電話「iPhone」を発表して話題になっています。解説を見ると、携帯電話機の大きさの汎用的な情報通信端末といった感じです。同時に社名を従来のアップルコンピューターからアップルに変えたことに、パソコンメーカーから変身した意気込みが感じられます。
 マイクロソフトのウインドウズ95を初めて使ったときに、ようやくアップルに近づいてきたという印象をもちました。それから10年以上経って発売されたウインドウズ・ビスタが注目されていますが、まだアップルを追い越す状態にはなっていないようです。
 米国の2006年の年間取得特許件数ランキングを見ると、マイクロソフトが12位に入っていますが、アップルは20位以内に入っていません。日本企業は20位以内に9社が入っていますが、インターネットの構成機器のトップ企業である米シスコ・システムズは入っていません。世界有数の研究所をもっている通信事業者も20位以内には1社も入っていません。
 特許取得件数が企業の技術力の評価指標に使われることがよくありますが、特許には、製品として利益を生み出す攻撃的な特許と、製品に反映する予定がない防衛的な特許があります。出願件数や取得件数が多い企業の特許には、防衛的な特許が多く含まれる傾向があります。特許の出願や登録された特許の維持にはかなり大きなコストがかかりますが、取得した特許を企業の利益に活かすのは簡単なことではありません。特許取得件数ランキングの上位に入っていない企業の特許戦略には興味があります。
都丸敬介(2007.1.15)

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