2000年以上にわたって紛争が絶えないイスラエルの首都テルアビブで、1988年10月
に国際コンピューター通信会議が開かれました。このとき、会議参加者のために用意
されたバスツアーでエルサレムとベツレヘムを訪ねたことは、今となっては実現が難
しい貴重な体験になりました。このときの印象記します。
テルアビブからエルサレムまでの距離は60km強で、片側2−3車線の高速道路でつ
ながっています。途中、山の中の道ばたに中東戦争時代のトラックの残骸が転がって
いました。緊張感を保つために撤去しないのだそうです。
エルサレムの街は、遠くから見ると白い山肌と建物の見分けがつかない、遺跡のよ
うな丘陵です。そして、城壁に囲まれた旧市街は、信仰と生活が混在している活気が
感じられます。すべての建物が石造りで、何度も破壊と再構築が繰り返されたため
か、無秩序であり、狭い路地の店はきわめて東洋的です。しかし、新しいエルサレム
の市街は立派な建物が整然と並び、優雅で裕福に見えました。
旧市街の中心にある有名な岩のドーム(写真1)は燦然と輝き、嘆きの壁(写真2)
には多くの人が頭をつけて祈っていました。嘆きの壁の内側にあるトンネルにはユダ
ヤ教徒しか入れないということで、入り口でユダヤ教徒がかぶる丸い帽子をかぶって
入りました。
ベツレヘムも丘の町です。キリスト生誕の場所といわれる聖誕教会のなかに、生ま
れたばかりの子供の像が祭られていました(写真3)。すごく生々しい感じでした。
現在、この場所はパレスチナ自治区にあり、簡単には行けないようです。
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