5月下旬にNHKがインターネットの動画投稿サイトのユーチューブを介してテレビ番組の配信を始めました。今のところニュースが中心ですが、インターネットと放送の融合が本格的に始まったという実感があります。URLは http://jp.youtube.com/user/NHKonline です。
番組を選択すると、NHKのロゴが入った静止画面が表示されますが、番組画面の右下の「動画形式を変更する」をクリックし、「動画形式を選択する」でFlash(FLM)をクリックすると動画再生用のソフトウェアが起動して動画の表示になります。
提供されている情報には動画を含んでいないものもありますが、全体として、かなり充実した内容になっています。一般的なポータルサイトが提供しているニュースとはひと味違った印象を受けます。動画像や音声の品質も悪くありません。携帯端末にテレビ番組が配信されていることを考えれば、かなり良好なサービス品質を実現できることはあたりまえのことと言えるのでしょう。ブロードバンド情報流通基盤として国際的なNGNが運用されるようになれば、世界中のテレビ放送を視聴できることはもはや夢ではありません。
ただし制度面ではいくつか気になることがあります。冒頭のNHKonlineはNHKと受信契約をしていなくても自由に見ることができます。新しい番組配信ルートがNHKその他の放送会社のビジネスモデルにどのような変化をもたらすのか、あるいは既存のビジネスモデルが、新しいルートで配信する番組の範囲を制約することになるのかといったことが不明確です。通信と放送の融合が、技術の進歩に制度改革が追いつかない新たな事例にならないことを願います。
都丸敬介(2008.6.9)