なんでもマルチメディア(554):非常用通信

ミャンマーのサイクロンによる大水害、中国の四川大地震と相次いで大きな災害が発生しました。いずれの場合も、通信が途絶して初動対策が遅れたことが人命救助の遅れにつながっているようです。

 「停電のために電話もインターネットも使えない」と当たり前のように報道されていますが、こうした災害に備えた非常用通信設備がどのようなっているのかということについての報道はありません。グローバルな衛星携帯電話サービスが発達した現在では、世界中のどこでも使える、比較的安価な衛星携帯電話を非常用通信のために用意しておくことはそれほど大きな負担にはならないはずです。

非常時対策設備というと、日常的には使わずに、ときどきテストをして動作を確認するのが一般的ですが、衛星携帯電話は日常的に使うことができます。長時間停電対策として小型の発電機を用意して、定期的に動作テストをすることと燃料を準備しておくことが必要ですが、あまり大きなコストはかからないはずです。

四川省の茂県では地震発生後4日目に1台の衛星電話が設置され、一人当たり1分間の通話を待つ人が1千人近くの行列を作ったということです。写真を見るとこの衛星携帯電話はかなり高額の設備なので、何故経済的なものを使わないのかという疑問が生じます。

ミャンマーでは今回の災害対策に衛星携帯電話が活躍したかどうかわかりませんが、ミャンマー国内でも一般的な携帯電話は普及しています。しかし、情報管理のために国際通信は厳しく規制されているようです。このために、ミャンマーで仕事をしている日本人の中には日常的に衛星携帯電話を使っている人がいるようです。お国柄利用上の制約があるのかもしれませんが、海外進出している日本企業が日常的に何台かの衛星携帯電話を使っていれば、災害時に現地の支援に貢献できるかもしれません。こうしたことのガイドラインを作って、実行することを考える組織はないのでしょうか。

都丸敬介(2008.5.19

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