なんでもマルチメディア(528):LPレコード

CDが出現して以来、LPレコードを聴く機会がめっきり減って、いつのまにかレコードプレイヤーもどこかにいってしまいました。最近、若い頃買ったLPレコードのジャケットを見ていて、無性に聴きたくなり、早速レコードプレイヤーを購入しました。この数日はLPレコードにはまっています。
 LP、CD、DVDと3世代の媒体が揃っている、同じタイトルのミュージカル映画やオペラを比べて、LPの思いがけない良さを認識しました。数時間にわたる全曲のDVDを観賞するのは、フルコースのディナーのようであり、なかなか、まとまった時間をとることができません。これに対して、ハイライト部分を編集したLPは午後のティータイムのようであり、気楽に、しかも気持ちを集中して聴くことができます。
 音楽を聴きながら、LPに添付された解説記事や歌詞を読んでいると、改めて多くのことを学びます。CDやDVDに添付されている、電気製品の取扱説明書のような小さなサイズの細かい字の解説と比べると、LPに添付されている解説はどれもおおらかな感じを受けます。これは優れた文化といえます。
 ブロードバンドネットワークの普及にともなって、音楽をダウンロード購入する人が増えた影響で、CDの売上が大きく減少しているようです。音楽という商品の品揃えとコストを考えると、この傾向は当然のことですが、解説記事が伴わないことによる文化の衰退は残念です。
都丸敬介(2007.10.28)

なんでもマルチメディア(527):光ファイバー回線

今日(2007年10月21日)の日本経済新聞第1面に「NTT光回線3000万件目標、大幅下方修正へ」という見出しの記事がありました。2010年に全国で3000万回線とした、光ファイバー通信回線の普及目標の達成が、これまでの実績では難しいという判断から、目標を下方修正する検討を始めたという内容です。
 しかし、「ブロードバンド通信サービスのユーザーが計画どおりに増えていないからだ」という説明だけでは、納得できないことがあります。ユーザーを接続するアクセス回線として光ファイバーを導入する方法の研究が、1980年代から1990年代にかけて活発に行われました。そして、老朽化した銅線のメタリック電話ケーブルを取り替えるときに、新しいメタリックケーブルを設置するのと同程度のコストで光ファイバー・ケーブルに置き換える方法が開発されました。これは、既存の固定電話だけで十分だというユーザーも含めて、一つの地域の通信回線をまとめて光ファイバー回線に置き換える方法です。
ところが、メタリック電話ケーブルを使ってブロードバンド通信サービスを実現するADSLが普及したために、一つの地域のメタリックケーブルをまとめて光ファイバーに置き換えることが難しくなったようです。NTTのメタリックケーブルを使ってADSLサービスを提供している通信事業者が困るからです。
通信ケーブルは重要なインフラ設備です。競合する通信事業者の利害が対立するので、すっきりした問題解決は難しいのかもしれませんが、互いに協力して光ファイバー回線の普及を進める時が来たといえましょう。
都丸敬介(2007.10.21)

なんでもマルチメディア(526):階段

写真1.jpg家の近くの散歩道に40段ほどの石段があります。この石段を登るとその日の体調がよく分かります。山形の山寺や金比羅宮を始めとして、多くの神社仏閣に長い石段あるいは階段があり、これを登りつめると必ず素晴らしい光景が見られます。これは日本国内だけのことでなく、海外でも印象に残っている階段が少なからずあります。
 これまでに経験した最も急な階段は、カンボジアのアンコールワットのものです(写真1)。
傾斜が急なだけではなく、一段の幅が足の長さよりも短いので、かなり危険です。この階段がある、アンコールワットの中心にある建物の外には、滑落に備えて救急車が待機しています。
 写真2は莫高窟千仏洞で有名な中国の敦煌の郊外にある「鳴沙山」に登る階段です。さらさらした砂山に、梯子を置いたものです。登りにはこの階段を使いますが、降りるときは砂を滑るのが快適です。有料の簡単なそりも用意されています。この砂山の頂上は夕日を見るのに絶好の場所です。
 中国の西安にある、玄奘三蔵がインドから持ち帰った仏典を収めた大雁塔は7層の塔で、最上階まで登る階段の段数は般若心経の文字数と同じだそうです。自分で数えたわけではないので、本当かどうかは分かりません。最上階からの眺望は雄大です。
 若い頃は頻繁に山登りをしていたので、今でも石段や階段を登ることに心理的な抵抗はありませんが、加齢とともにバランス感覚が悪くなり、不安定になってきたことを感じます。それでも、階段を登ることで得られる楽しみをいつまでも味わいたいと思います。都丸敬介(2007.10.14)
写真2.jpg

なんでもマルチメディア(525):バイオメトリックス決済

日立製作所が社内の食堂と売店で実験を行っている、利用者の指静脈認証だけで代金を決済するシステムの利用状況が、報道陣に公開されたそうです。小切手、クレジットカード、決済機能つき携帯電話など、現金を使わない決済システムが多様化して便利さが拡大しています。
 バイオメトリックス技術の1つである静脈認証による代金決済は、新しい形態の電子マネーの1つといえます。クレジットカードの紛失や持参忘れはよくあることなので、バイオメトリックス認証だけで済む代金支払いがもたらす利便性と安全性は大きいといえます
 この代金決済システムは、既存のクレジットカード・システムと連動するために、前もってカードの口座を開設しておく必要があります。実験システムでは、クレジット機能付き社員証を持っている社員を実験参加者として選んだということです。
 一般的なユーザー認証では、ユーザー名(ユーザーID)と暗証番号(パスワード)の組合せでユーザーを特定しますが、ユーザー名と暗証番号はどちらも自由に変更できます。一方、バイオメトリックス認証では、認証用データがユーザーの身体的特徴に基づくものなので、人為的に変更することができません。したがって、原理的には、ユーザー名と暗証番号という2種類のデータを組み合わせる必要がありません。
 一般に、ユーザー認証におけるバイオメトリックス技術の役割は、パスワードの代替と考えられていますが、バイオメトリックス認証技術は従来とは異なるいろいろな応用の可能性を備えています。今後の発展を見るのが楽しみです。
都丸敬介(2007.10.8)