家の庭に一本のザクロの木があります。今朝、小さな花が開き始めたのに気付きました。この木は30年前に家を建てたとき、昔の部下の父上から贈られたものです。車のトランクに入れて運んできたものが、いまでは高さが6mほどになっています。大きくなりすぎたので3年前に植木屋さんに頼んで、二股に分かれていた幹の一方と太い枝を切り取ったところ、次の年は一つの花も咲きませんでした。昨年はいくつか花が咲いたけれども実にはなりませんでしたが、今朝の花を見て、今年の秋は久しぶりに甘酸っぱい実を口にできそうな予感がしました。
10年ほど前に、家の前を通りかかった老婦人から、実が付いている枝を一本分けてもらえないかと頼まれたことがあります。家で写生をしたいのだということなので、喜んでで差し上げました。その後、いつの間にか顔を見かけなくなりました。
中国・西安市郊外の兵馬俑や始皇帝陵の付近はザクロの名産地です。最初に訪れたときは収穫期で、道ばたに産地直売の露店が連なっていました。昼食のデザートに直径10センチほどのザクロが一個出てきたのには驚きました。花が咲く季節に訪れたときは、期待していたほどには花が目立ちませんでした。
ザクロの花は華やかではありませんが、近づいて見ると良い形をしています。ザクロの木が最も華やぐのは、新芽が葉の形に成長するときです。赤色系の小さくて柔らかい葉が、濃い緑に変わると花が咲き始めます。
都丸敬介(2007.5.22)
月: 2007年5月
なんでもマルチメディア(507):NGNの意義
NTTがNGN(次世代ネットワーク)のフィールドトライアルを始めてから、間もなく5ヶ月になります。1年前と比較すると、NGNをキーワードとする新聞や雑誌の記事がめっきり減りました。NGNは通信事業者のコアネットワーク(基幹ネットワーク)を中心とする設備の技術であり、これを利用するアプリケーションサービスではありません。コアネットワークが変わっても、それによって画期的な新サービスが出現するのでなければ、情報通信サービスの利用者にはその変化が分かりません。
それでは通信事業者が何故NGNの開発と構築に巨額の投資をするのかというと、サービスコストの大幅な削減と、通信ネットワークの利用方法の多様化に対して迅速かつ柔軟に対応できるようにすることといえます。
NGNの基本は、電話交換網の技術として確立した回線交換方式を、インターネットの技術として確立したIPパケット交換方式に切り換えることです。輸送網に当てはめると、鉄道網を廃止して自動車網に切り換えることに相当します。鉄道網が衰退して自動車網が発達した最大の理由は利用時の時間や場所の制約が少ないことです。反面、自動車網では渋滞が発生すると目的地に到着するまでの時間が大きくなるというサービス品質の低下が生じます。
NGNはIPネットワークの弱点であるサービス品質や安定性を固定電話網並みに改善し、さらに利用条件に大きな自由度をもたせるものです。NGNを利用する新しいビジネスを生み出すためにはNGNの仕組みや特徴について理解を深める必要があります。
都丸敬介(2007.5.15)
なんでもマルチメディア(506):中国のロロ族
本箱の中で長い間眠っていた本を取り出して読むと、思いがけない発見があり、時間を忘れてのめり込むことがよくあります。今読んでいるのは、1968年に白水社が発行した、西域探検紀行全集の中の「ドロール著:シナ奥地を行く」です。ドロールはフランスの軍人で、この本は1906年の調査探検記録です。ヴェトナムのハノイから入り、雲南省の昆明から北上して四川省を通って、チベットに至るという長いコースをたどっています。
雲南省から四川省にかけて通過したところはロロ人の国です。ロロ人あるいはロロ族という名前を聞いたことがなかったので、インターネットで調べてみましたが、現在の中国の状況は分かりませんでした。1990年の推定で、中国に約660万人いるようです。
この探検が行われた一世紀前、ロロ族の社会にはインドのカースト制度に似た階級制度があり、それ以前から独自の文字文化をもっていたということです。現在はどうなっているのか興味深いことです。
近代的な交通手段や電気通信手段がなかった時代の探検記録を読むと、優れた探検家たちの知力や想像力、行動力、忍耐力、などに感服します。実際の行動は真似できませんが、この人たちの行動の源泉にあったであろう好奇心は共有したいことです。
都丸敬介(2007.5.6)