なんでもマルチメディア(506):中国のロロ族

本箱の中で長い間眠っていた本を取り出して読むと、思いがけない発見があり、時間を忘れてのめり込むことがよくあります。今読んでいるのは、1968年に白水社が発行した、西域探検紀行全集の中の「ドロール著:シナ奥地を行く」です。ドロールはフランスの軍人で、この本は1906年の調査探検記録です。ヴェトナムのハノイから入り、雲南省の昆明から北上して四川省を通って、チベットに至るという長いコースをたどっています。
 雲南省から四川省にかけて通過したところはロロ人の国です。ロロ人あるいはロロ族という名前を聞いたことがなかったので、インターネットで調べてみましたが、現在の中国の状況は分かりませんでした。1990年の推定で、中国に約660万人いるようです。
 この探検が行われた一世紀前、ロロ族の社会にはインドのカースト制度に似た階級制度があり、それ以前から独自の文字文化をもっていたということです。現在はどうなっているのか興味深いことです。
 近代的な交通手段や電気通信手段がなかった時代の探検記録を読むと、優れた探検家たちの知力や想像力、行動力、忍耐力、などに感服します。実際の行動は真似できませんが、この人たちの行動の源泉にあったであろう好奇心は共有したいことです。
都丸敬介(2007.5.6)

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