情報通信システムの重要な性能指標の単位が、メガ(M:100万)からギガ(G:10億)へと拡大する動向が顕著になってきました。具体的には、通信ネットワークの通信速度(データ伝送速度)と、パソコンを始めとする情報機器のメモリー容量があります。
ブロードバンドネットワークの普及によって、アクセスネットワークの通信速度が数10kビット/秒から数Mビット/秒に改善されてからまだ10年程度しか経っていませんが、すでに1Gビット/秒以上のサービスが提供されています。そして、通信事業者のコアネットワークの通信速度は、研究段階ではテラ(T:1兆)ビット/秒に達しています。
先頃発売になったパソコン用OSのウインドウズ・ビスタは、快適な動作に必要なメインメモリーの容量が1Gバイトとなっています。パソコンの普及が進んだ時代には、データを持ち運ぶための主役だったFD(フロッピー・ディスク)の記憶容量が1.4Mバイトでした。これに対して、現在広く使われているUSBメモリーの記憶容量は1Gバイトを超しました。
通信速度やメモリー容量がメガからギガに拡大した背景には、これらを実現するための技術進歩があります。この分野では、マイクロ(100万分の1)からナノ(10億分の1)へと微細化が進んでいます。LSIの微細加工技術や光ファイバー通信で使う光信号の処理はナノメートルを単位として語られるようになり、高速通信技術の制御時間の単位としてナノ秒が使われるようになりました。
これらの技術進歩が、ノーベル賞級のブレークスルー技術によらずに次々に実現されていることは驚くべきことです。この調子で進歩が続くと、2010年頃には生活や産業の分野で大きな変化が起こると予想されます。
都丸敬介(2007.4.30)
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