映画の制作から、配信、上映までの全工程をディジタル化した「ディジタル・シネマ」が、ようやく実用の段階に達したようです。2004年10月に開催された第17回東京国際映画祭でデモンストレーションが行われた後、2005年にはハリウッドのメジャー映画制作スタジオの標準技術仕様DCI (Digital Cinema Initiatives)標準が発表されました。
ディジタル・シネマの規格には、画素数800万(横4,096×縦2,160)の4Kと、画素数200万(横2,048×縦1,080)の2Kの2種類があり、DCI標準には4K規格が採用されたということです。この解像度はハイビジョンよりもはるかに高精細です。
技術面では映像情報のセキュリティ保護機能が注目されます。不正コピー防止のために、映像情報データを暗号化して映画館に配信し、上映装置で復号する仕掛になっています。暗号化したデータを復号するのに必要な暗号鍵の配送にも暗号技術を使っているので、不正コピーは非常に難しいようです。また、上映中の映像盗撮対策として,盗撮が行われた時刻と場所を特定できる電子透かしを埋め込む技術の開発が進んでいることが報告されています。
データ量が多いので、映像情報の最大ビット速度は250Mビット/秒と高速ですが、高速光ファイバー・ネットワークの普及によって、新作映画配信の体制や映画産業が大きな転換期を迎えたようです。
都丸敬介(2006.05.07)
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