なんでもマルチメディア(520):システムのトラブル対策

テレビや新聞で報じられる話題の多くは事故や不正行為に関わることです。トラブルが発生すると、事後対策の善し悪しによって危機管理能力が問われ、あるいは未然に防げなかったのかということが話題になります。
 情報通信システムの開発では、開発労力の80%程度がトラブル対策のために費やされるといわれます。80%というのは比喩的な値であり、実際の値は対象システムによって異なりますが、開発段階でトラブル対策を軽視したために大きな問題を起こした例が多くあります。
 日本の電気通信システムや電力システムでは、先駆者たちの永年の努力によって、非常に高いサービス信頼性が維持されていますが、技術の急速な進歩にともなって大きな変革が進んでいます。高いサービス信頼性を実現するための基本は故障が起こりにくくすることですが、これだけでは十分ではありません。操作ミスのような人的原因による事故に対する安全対策が不十分だと信頼性を大きく低下させます。
 機能の多様化や高度化が続いているパソコンや、インターネットサービス、各種の家電製品などを使っていると、トラブル対策についての基本的な考え方が分からないものや、提供側の論理が優先して、利用者にいろいろなことを押しつけているものが目に余ります。
 NGN(次世代ネットワーク)の実用化を始めとして、新しい情報通信システムの開発が活発になってきた今こそ、改めて利用者指向のトラブル対策の充実が求められます。
都丸敬介(2007.9.3)

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です