なんでもマルチメディア(519):インターネット不正行為の被害額

情報漏えいや迷惑メール、DoS(サービス不能)攻撃など、インターネットを悪用する犯罪的不正行為がますますエスカレートしています。インターネットやパソコン関係の雑誌には、毎号のように、情報セキュリティ関係の記事が掲載され、セキュリティ・サービスやセキュリティ・グッズが成長産業になっています。
 ところが、インターネットを悪用する不正行為によって、どのような損失が発生し、誰がどの程度の被害を被っているのかという、具体的な解説はほとんどありません。ユーザー情報が漏えいしたクレジットカードの不正使用による被害金額や、著作権侵害になる不正コピーによる被害金額、インターネット通信販売詐欺の被害金額などが発表されることがありますが、迷惑メールやコンピューター・ウイルスによって発生する被害金額がどの程度あり、誰が被害を受けているのかということになると、さっぱり分かりません。
 経済産業省が実施している情報処理技術者試験の、平成17年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験問題の一つに、コンピューター・ウイルスによって企業が被った被害額を算出したモデルが示されています。このモデルではウイルスによる被害額を、表面化被害額と潜在化被害額に分けて算出しています。
いろいろなケースについて、このような調査と分析に基づく啓蒙活動が望まれます。迷惑メールによるインターネット設備の無駄遣いが、グローバルな電力消費量の何パーセントになっているのかも気に掛かります。
都丸敬介(2007.8.26)

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