なんでもマルチメディア(483):IP電話のトラブル

今年(2006年)9月にNTT東日本のIP電話サービスで、長時間にわたって正常な通話ができないというトラブルがありました。そして、今度はNTT西日本で似たような大規模の通話障害が発生したことが、テレビや新聞のニュースで報じられました。
 原因は分かりませんが、トラブルの根底にはかなり難しい技術的な問題があるのではないかという感じがします。電話をかけるときには、相手の電話番号をダイヤルします。従来の電話網ではこの電話番号から接続先を割り出して接続をします。
一方IP電話では、音声信号を運ぶパケットを送信者から受信者に送るのに、IP(インターネット・プロトコル)アドレスを使います。このために、電話番号とIPアドレスを対応付ける制御が必要になります。このような制御処理を1秒程度の短時間で実行するためには高性能のサーバー(コンピューター)が必要です。
 1980年代には高い完成度に達していた固定電話では、発信者がダイヤルを終わってから着信者を呼び出すまでの時間や接続失敗率など、いくつものサービス品質指標を決めて、その目標値を実現しています。公衆通信サービスとしてのIP電話サービスは、すでに実現したサービス品質と簡便な操作性を継承しなければなりません。これは簡単なことではありませんが、発生したトラブルを教訓にして、安心して利用できるサービスを実現することを願います。
 私の家では、光回線のほかに従来の固定電話回線を残しています。
都丸敬介(2006.10.24)

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