なんでもマルチメディア(484):技術用語

専門分野の雑誌や研究論文を見ていると、かなり大きな頻度で、知らない用語に出会います。その多くはインターネットで調べても見つからない新語です。このような用語に出会うと、強い好奇心がわいてきます。
 毎週一回NHKのラジオ放送で、新語・流行語の解説をしています。この番組では「新語・流行語を知ると世の中が見えてくる」いう趣旨の決まり文句が最初にあります。このことに異論はありませんが、社会現象の窓として目にとまる新語・流行語と、専門技術分野の新語あるいは造語との間には性格の違いがあるように思います。
多くの専門用語には、それを提案した人の思想と情熱が込められています。私自身、新しく開発した技術に付けた名前が業界で広く使われるようになった経験をもっています。技術教科書や市販製品の説明書で、自分が提案した用語を眼にすると、なんとなく嬉しくなります。
 知らない用語に出会ったときは、それを手作りの用語集に収録しています。最初に出会ったときの説明ではよく理解できなかった用語でも、別の資料で見つけて整理すると次第に分かってくることがあります。多くの人が情報を提供して作っているインターネット上の百科事典のウィキペディアが話題になっていますが、技術の専門的なことになると内容が貧弱です。一方、項目によっては記載されていることが多すぎて、要点を的確に把握できないことがよくあります。
 数文字の用語でも、真意を理解することは簡単ではないことを毎日実感しています。
都丸敬介(2006.10.31)

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