家庭内にある多種類の情報機器や家電製品あるいはセキュリティ機器をつないで、経済的に利便性を拡大することを目的とする、ホームネットワーク(家庭内情報ネットワーク)の製品化がにぎやかになってきました。ケーブル方式のLANや無線LAN を使う、パソコンを中心とする情報ネットワークは、すでに多くの家庭に普及しています。これとは別に、PLC(電力線データ通信)という、電力配線を利用する一種のLANの技術を使うシステムが姿を現し始めました。
PLCはすでに家の中に設置されている電力配線を利用して、高速データ伝送を行う技術です。電源コンセントに電力線モデムあるいはPLCモデムというデータ送受信装置のコードを差し込みます。そして、電力線モデムにつないだ情報機器の間でデータをやりとりします。
日本国内では、2000年10月に九州電力がPLCの実証実験を開始して注目されました。その後、2004年2月に米FCC(連邦通信委員会)が技術基準作りを提案したこともあり、米国の電力会社各社が試験を始めました。また、2005年には総務省主催の研究会が発足しました。こうした動きを背景にして、最近、PLCを使うホームネットワーク製品開発のニュースが増えてきました。
PLC製品が実用になると、既存のLANとの主導権争い、あるいはPLCとLANの共存が大きな問題になります。すでに、PLCとLANを組合せて使う統合ネットワーク製品が発表されていますが、素人が家の中で自由に使いこなすのは難しそうです。ホームネットワークの普及には、日曜大工的な作業で各種の機器をつなぐことができなければなりません。これは非常に難しい問題であり、どのように解決されるのか、今後の展開が注目されます。
(訂正)前回の「見てみたい名画」のなかで、「ミケランジェロ:最後の晩餐」と書いたのは、「ミケランジェロ:最後の審判」の書き違えです。訂正させて頂きます。
都丸敬介(2006.02.05)
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以下参考になるURLを記載しておきます。これらのページからも多くの参考となるサイトにリンクがあります。
http://jh3ykv.rgr.jp/mt/archives/2005/11/post_315.html
http://blog.radionikkei.jp/shabette/index.php?ID=112
http://www.sv15.com/net/plc/
http://carlife.carview.co.jp/User.asp?UserDiaryID=796752
航空、国防等の無線通信や短波放送等への電波障害の恐れもあるけど、それ以外に元々高周波信号を流す構造に成っていない電力線に高周波を流すことは恐ろしいことを呼ぶのでは。
いくらユーザーの利便と言っても、既存の屋内配線網に下手な素人が工事しないとも限らないし
万一、その際にPLCが原因で漏電遮断機が作動しなくなるとか、ブレーカーが誤動作するとか、他にも色々な要素が絡んで火災事故が出ないとも限らないし。
それに某所に以下のような書き込みがありました。
よくよく読み返してみると指摘の通りです。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/kosoku_denryokusen/051222_2.html
の資料12-2を見て驚いた。
医療関係機器へのPLCの影響を懸念する越えに対し,なんと,
ご指摘の意見は、高速電力線搬送通信設備と医用機器の共存に関する
ものですが、本研究会は、高速電力線搬送通信と無線利用との共存に
ついて検討を行うためのもので、構成員もこの検討内容に応じたものとなって
おり、高速電力線搬送通信と他の電気機器との共存について検討を行う
ものではありません。
だと。
こういう懸念に対して真摯な対応をするのが「大人」だと思っていたが。
PLC研究会が,人命よりもカネのために設置されたことを明言したんだね。
さすが,石油ファンヒータ事件を起こした会社が熱を入れるわけだ。
さらにパブリックコメントが締め切られたあとPLCからは多数のメーカーが撤退を検討している模様。
パナソニック社は,実験免許の不正使用でお上からお叱りを受けたと。
ということで普及はしないと思いますよ。