なんでもマルチメディア(473):ネットワークのトラフィック

お盆休みが始まり、恒例の高速道路大渋滞が報道されました。100kmを超える渋滞が発生したと聞くと、大事故が起こらないことに感心します。
 最近「日本の情報通信データトラフィック:5月時点で毎秒500ギガ・ビット突破」という見出しの新聞記事を見ました。FTTHやADSLを利用しているブロードバンド・ユーザーによる、インターネット利用トラフィック(通信量)が、平均値で500ギガ・ビット/秒を超えたということです。この数値だけを聞いても実感がありません。
現在、日本国内のブロードバンド・ユーザー数は約3,700万といわれています。そこで500ギガ・ビット/秒を3,700万で割ると、1ユーザー当たりの平均トラフィックは、13.5キロ・ビット/秒になります。ブロードバンド・アクセス回線の平均伝送速度を3メガ・ビット/秒と仮定すると、13.5キロ・ビット/秒は3メガ・ビット/秒の0.45%になります。平均使用率0.45%という数値だけをみていると、ネットワーク設備の投資効率が非常に悪く、大きな無駄遣いをしているような印象を受けます。
ネットワーク全体のトラフィックが増えることの影響が強く表れるのは、高速道路と同様に、トラフィックが集まってくるコアネットワークと呼ぶ幹線ネットワークです。コアネットワークでトラフィックの渋滞が起こると、個々のユーザーに対するサービス品質が低下します。今年の12月から、NTTがNGN(次世代ネットワーク)と呼ぶブロードバンドIPネットワークの大規模な実験を始めます。NGNの重要な技術課題の一つが、コアネットワークのトラフィックが急増したときのサービス品質低下を防ぐことです。NGNでどのような新サービスが出現するのかということに興味がありますが、同時に、サービス品質がどの程度維持できるのかということにも関心があります。
都丸敬介(2006.08.14)

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