なんでもマルチメディア(472):通信事業者の収入

最近、NTT東西とNTTドコモの事業収入のデータが新聞で報道されました。いずれもARPU(1ユーザー当たりの月間収入)の数値が示されていて、この数値の推移から、通信事業の方向やユーザーの動向を垣間見ることができます。
 NTT東西の光回線サービス「Bフレッツ」の最近のARPUは4,800円から4,900円程度で、西日本のほうが若干大きくなっています。そして、東日本と西日本のどちらのARPUも増加傾向にあります。一方、両社の固定電話のARPUは2,700円から2,800円程度で、東日本のほうが若干大きくなっています。これらの数値を見ると、基本料金を始めとする月額固定部分の割合が大半を占めていることが推定できます。通信量に比例する通話料金は十分に安くなり、もはや、通話料金が安いことは、競争の切り札ではなくなってきたことがうかがえます。
 NTTドコモの最近のARPUは6,700円程度であり、固定電話と比べるとかなり大きな値です。ARPUの内訳は、電話利用が減少傾向、データ通信利用が増加傾向にあり、この傾向はしばらく続いています。
 近い将来、FMC(固定電話と携帯電話の融合サービス)が進むと、ARPUの値がどのように変化するのかということは大変興味があります。
 NTT東日本のBフレッツのカタログを見ると、約4,000タイトルのオンデマンド・ビデオ見放題プランが月額2,100円、テレビの多チャンネルプランが月額2,100円とあります。これらの月額固定料金サービスでARPUを押し上げることが、これからの通信事業の重要なビジネスモデルになるのかもしれません。
都丸敬介(2006.08.07)

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