米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の引退声明が話題になっています。マイクロソフトのビジネスモデルが大きな転換期を迎えて、新たな創業に挑戦しなければならなくなったときに引退できることは、幸せなことといえます。
ところで、マイクロソフトのWindowsに支配された現在のパソコン事業は、次第にユーザー不在になってきたように思えます。Windows95が出現したときは、ようやくアップルのマッキントッシュに近づいてきたなと感じました。そして、Windows98で一人前になったという感想をもちましたが、その後のWindows Meは出来損ないで手を焼きました。現在主流のWindows XPはかなり完成度が高く、これから先も十分に使えます。
ところが、まもなくWindowsビスタが出荷されるとのことで、話題になっています。報じられているビスタの新機能は、パソコンのヘビー・ユーザーにとっては有り難いかもしれませんが、大部分のユーザーはXPで十分なはずです。したがって、ビスタの発売後XPがどうなるのか気にかかります。これまでのように、ビスタが発売になると、パソコンショップはビスタ一色になり、XPパソコンが手に入りにくくなるという状態になると、多くのユーザーが困るのではないでしょうか。
どのような製品でも、レベルが低い段階では改良による全面的な置き換えが効果的ですが、完成度が高くなると、新製品の押しつけによる、既存製品の意図的な陳腐化はユーザーの反発を招くことがあります。マイクロソフトの事業戦略がどのようになるのか、大いに興味があります。
都丸敬介(2006.06.19)
スポンサーリンク