なんでもマルチメディア(467):ブロードバンドのエネルギー消費

ADSLやFTTHといった、ブロードバンド・ネットワーク・サービスの利用者が、日本国内だけで、すでに二千万世帯に達したということです。これは新しい情報化時代を象徴する一つの指標として好ましいことと言えますが、このことがもたらす負の問題はあまり議論されていません。
ブロードバンド・ネットワークの普及に伴って増えてきた負の社会問題として、知的所有権侵害や個人情報漏洩がありますが、エネルギー消費の増大はほとんど注目されていません。
 古典的な電話では、電話機を使っている間だけ、電話機が数ワットの電力を消費しましたが、ブロードバンド・ネットワーク機器は、常になにがしかの電力を消費しています。消費電力量はネットワーク設備の実現技術によって異なるので、実態を把握するのが難しいかもしれませんが、一世帯当たり10ワットを消費すると仮定すると、二千万世帯では二億ワット(200メガ・ワット)になります。これは原子力発電所一基の発電量のおよそ四分の一に相当します。現在市販されている標準的なノート型パソコンの仕様を見ると、動作時の消費電力が40ワット程度ですから、ブロードバンド利用者一世帯当たりの消費電力はかなり大きいはずです。
 通信事業者はネットワーク設備の消費電力を減らすための研究に力を入れていますが、いろいろな難問題があるようです。ブロードバンド・サービスの評価指標の一つとして、消費電力をもっと強調すべきだと考えます。
都丸敬介(2006.07.02)

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です