なんでもマルチメディア(428):固定電話と携帯電話の融合

電気通信事業が自由化され、NTTが民営化すると同時に多くの通信事業者が生まれた1985年から20年たちました。この間に携帯電話やインターネットの急速な発展がありました。さらに、これらの影響を受けて、電話事業の新たな大転換が始まっています。
 中でも注目すべきことが固定電話と携帯電話の融合です。このことを固定・移動通信融合サービスあるいはFMCといいます。FMCはフィックスド・モバイル・コンバージェンスの略です。FMCでは1つの携帯電話機を、屋外では通常の携帯電話として使い、屋内では固定電話網につながるコードレス電話機として使います。
 FMCの効用について、家にいるときは通信料金が安い固定電話を使えるという説明があります。これは事実ですが、FMCに期待される効果は通信料金の低減だけではありません。より重要なことは、一つの電話番号を日本中どこにいても使えるようになることです。固定電話の分野ではIP電話が急速に発展しています。FMCとIP電話の結合は、さらに多くの新しいアプリケーションを生み出す可能性を持っています。
 英国のBT(ブリティッシュ・テレコム)が携帯電話のボーダフォンと提携して、ブルーフォンという名称のFMCサービスを2005年6月に開始しました。このサービスでは、屋内ではブルートゥースという近距離無線LANのアクセス・ポイントを経由して、電話機を固定電話網につなぎ、屋外ではGSM方式の携帯電話回線に同じ電話機をつなぐことで、通信料金の最適化を実現しています。
 FMCの実現では、電話番号をどうするかということが大きな問題です。先月、日本国内のFMCサービスを2007年度にも実現する方向で、総務省が固定電話番号と携帯電話番号を一本化する検討を始めるという報道がありました。この方針が決まると、大きな事業機会が生まれると考えられます。
都丸敬介(2005.10.16)

スポンサーリンク

「なんでもマルチメディア(428):固定電話と携帯電話の融合」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です