なんでもマルチメディア(429):ガンダーラ美術

今日(2005年10月24日)の日本経済新聞・文化欄に、パキスタン政府が愛知万博で展示した釈迦苦行像を鎌倉の建長寺に寄贈したいきさつの記事がありました。この仏像はガンダーラ美術の代表的傑作で、パキスタンのラホール国立美術館に保管されているもののレプリカだということです。駐日パキスタン大使が書いた新聞記事の「偶像崇拝を否定するイスラムの国であるパキスタンが作った最初で最後のレプリカになるだろう」という一文に心を打たれました。
 私がガンダーラ美術に出会ったのはロンドンの大英博物館です。日本の仏像や、ギリシャの古代彫刻、そしてミケランジェロの作品などになじんでいた眼に、ガンダーラの仏像群がもたらしたショックは強烈でした。美術や歴史を深く勉強してきたわけではないので、感じたことをストレートに受け取っただけですが、このときのショックが忘れられず、その後も何度か大英博物館にガンダーラの仏様を見に行きました。子供の頃から見慣れてきた柔和な仏像は癒しをもたらしてくれますが、より人間的なガンダーラの仏像は励ましを与えてくれるように思えます。
 あと一ヶ月もすると鎌倉も秋の色になります。久しぶりにカメラを持って建長寺に行ってみようかなと考えています。
都丸敬介(2005.10.24)

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