NTTドコモが「プッシュトーク」、auが「ハローメッセンジャー」のサービス名称で、新しい携帯電話サービスを始めるということです。これは、携帯電話が普及する以前に多くの人たちが利用していたトランシーバーと同様に、話者が送信するときには送話ボタンを押し、送話を終えるときは「オーバー」あるいは「終わります」などと言って送話ボタンを切る、交互通話サービスと同じようなサービスです。1対1通信だけでなく複数のユーザーで同時に通話できます。これをプッシュ・ツー・トーク(PTT)と呼びます。
米国では、1996年にネクステル・コミュニケーションズ社が「ダイレクト・コネクト」の名称でサービスを開始したという記録がありますが、あまり普及したようには見えませんでした。2003年以降に、ベライゾン・ワイヤレス、スプリントPCSなどの通信事業者が同様のサービスを始めました。異なる通信事業者のPTTサービスは互換性がないことが問題点として指摘されていましたが、2004年には、モトローラ、エリクソン、シーメンスの携帯電話機メーカー3社が、各社の携帯電話機のPTT互換性を実現する共同実験を始めたことが報じられました。
NTTドコモとauの電話機は互換性がないようですが、このサービスがどのような年代層に浸透するのか興味があります。auのサービスは音声だけでなく文字メッセージや画像も同時に送ることができるようなので、新しい若者文化が生まれるかもしれません。
都丸敬介(2005.10.29)
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