何でもマルチメディア(676):電話のトラブル

昨年12月、徳島県で大雪のために電話が使えなくなり、集落が孤立状態になるというトラブルがありました。

この原因について大手新聞に解説者の署名付きの解説記事が掲載されましたが、その内容は正しくありません。

この解説には「一般の電話は、自宅が停電しても通話ができるようになっています。電話線に約50ボルトの電圧で電流が流れているためです。かつて電気の供給が不安定だったり、集落に電線がなかったりした時代、日本中に電話を引くために考えられた方法でした。」とあります。

の電話ケーブルを使って電話局から電話機に電流を流すことは、電話機の動作に必要な電気を供給すると同時に、電話機の回転型ダイヤルで電流を断続して、電話番号を電話局の電話交換機に伝えるための手段だったのです。

新聞の解説記事には「NTTが光回線で提供するIP電話」という記述があります。災害にあった集落が光回線(光ファイバーケーブル)を使っているのであれば、もともと電話局から電話機への電流供給はないのです。携帯電話やスマホの端末と無線基地局をつなぐ無線回線も電力供給機能はありません。

徳島県で発生したトラブルは「IP電話に問題があった」というよりも、むしろ、非常時対策ができてなかったというべきでしょう。

都丸敬介(2015.02.11)

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