なんでもマルチメディア(665):通信傍受

インターネット上を流れている個人情報を米国の政府機関が収集していたことを元CIA職員が明らかにしたことの波紋が、テレビや新聞で連日放送されています。

 使われた情報収集システム「PRISM」が導入されたのは2007年だということですが、2003年に出版されたトム・クランシーの小説(日本語訳「国際テロ」 新潮文庫)には、テロ対策手段としての、Eメールや電話の通信傍受の方法や状況が詳しく描かれています。この小説の重要な部分の1つは、米国で発生した同時多発、無差別殺人テロ事件の黒幕を特定するのに、通信傍受で収集した情報を使っていることです。その方法はテレビや新聞で報道されている米国で行われたこととよく似ています。

 ビッグデータの収集と分析や情報検索の技術が進んだ現在では、お金と人をかければ、政府機関でなくても、世界中で発生している莫大な情報を集めて分析することが可能です。すでに、不正な方法で入手した個人情報を悪用した犯罪が多く発生しています。

 不正な通信傍受や個人情報漏洩を規制する法律ができても、いったん漏洩した情報は消せません。善良な個人が身を守るために心がけるべき、インターネット利用方法の啓蒙活動が求められています。

都丸敬介(2013612日)

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