なんでもマルチメディア(664):オランダの先端農業

今週、NHKのテレビ放送で、オランダの農産物輸出が米国に次いで世界第2位だという特集番組を見ました。この中で、コンピューターによる生産管理と制御を行っている、天井が高い温室形式の巨大な野菜工場の紹介がありました。

この番組を見て、1992年に見学したフロリアード1992の光景を思い出しました。フロリアードは、産業振興のために10年ごとに、オランダ国内で、場所を変えて開かれている大きな園芸博覧会です。

夏休みにヨーロッパ旅行に出かけた時、アムステルダムの空港からホテルに向かうタクシーの運転手に「フロリアードを見に来たのか?」と聞かれました。それまでフロリアードという言葉を聞いたこともなかったので、詳しいことを教えてもらいました。アムステルダムから鉄道で簡単に行けるということなので、早速行ってみました。まさに百花繚乱の素晴らしい博覧会で、日本庭園もありました。

この会場で驚いたのが写真の野菜工場のひな形です。トマトやピーマンの蔓が、天井から吊り上げられているのです。NHKの放送では、こうすることで栽培空間が数倍になったことと、徹底したコンピューター制御によって、土地面積当たりの生産性が大幅に拡大したということです。

日本でも農業の近代産業化が叫ばれていますが、具体的な成果はまだ見えません。20年前に博覧会で見たことが、オランダで本格的な産業に育ったことは、よい手本になるはずです。

都丸敬介(2013年5月22日)

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