なんでもマルチメディア(657):最先端の光通信技術

NTTが発行している技術雑誌「NTT技術ジャーナル」の2012年12月号に素晴らしい研究成果の速報が掲載されました。52.4kmの距離で、1本の光ファイバーで1ペタビット/秒の超高速伝送に成功して、世界最高記録を実現したということです。

 1ペタは1ギガ(G)の100万倍です。第4世代携帯電話サービスが1Gビット/秒の壁を乗り越えられるかどうかで大騒ぎしていることと対比すると、異次元の世界のことのようです。この記事を引用すると「毎秒1ペタビットという数値は、2時間のハイビジョン映像5,000本を1秒間で伝送可能な速度に相当」ということです。

 この実験システムは、①新しい構造の光ファイバーケーブルを開発した、②以前から将来の高速光通信技術として注目されてきたコヒーレント伝送技術を用いた、③光信号の伝送効率を改善した、といったいくつかの重要な技術を組み合わせたということです。

 ノーベル賞の受賞で話題になっているiPS細胞の発明のような新技術の発明ではないかもしれませんが、複数の技術の組み合わせ相乗効果で画期的なことを実現するのは簡単ではありません。

 インターネット上の動画流通によるトラフィック量が爆発的に増えている現状を見ると、この新しい技術が救世主になる可能性を感じます。

都丸敬介(2012年12月9日)

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