情報通信ネットワークの基盤部分はアクセスネットワークとコアネットワークの階層構造になっています。アクセスネットワークはユーザー端末を始めとする情報通信機器をアクセスノードにつなぐ部分です。主なアクセスノードとして、固定電話網の市内交換機、携帯電話網の無線基地局、LANの無線ルーターなどがあります。
1990年代後半からアクセスネットワークの高速・広帯域化が進み、ブロードバンド回線ユーザーと動画配信のようなブロードバンドサービスが爆発的に増えた結果、コアネットワークに流れるデータ量が大幅に増大して、いろいろな問題が顕在化してきました。
アクセスネットワークの高速・広帯域化と並行して、コアネットワークの高速化や効率的なデータ流通の研究が世界各国で活発に行われてきました。最近の論文を見ていると、コアネットワークの大規模改革が始まる気配を感じます。
コアネットワークは複数の機能層を積み重ねた複雑な階層構造になっています。その背景には、長い年月の間に次々に実用化された技術を組み合わせてきた経緯があります。新しいコアネットワークの実現方法として、階層数を減らしてすっきりした構造のアーキテクチャーが示されています。
こうしたことの実現には、長い期間と巨大な投資が必要になると思われますが、いつごろ、どのようなコアネットワークが出現するのか楽しみです。
都丸敬介(2012年7月31日)
スポンサーリンク