テレビジョン放送のディジタル化が終わり、テレビ受像機の販売不振が深刻な状態に入ったことが報じられています。こうした状態から脱却して、日本のテレビジョン産業を活性化するために、以前から研究されてきた技術の実用化や、複数の技術の融合が活発になってきました。
その一つがテレビとインターネットの融合です。テレビとインターネットの機能融合は、断片的にはすでに実現していますが、家庭で日常的に利用するのに適した、総合的な情報メディアとしてのビジョンは見えません。
私が今使っているパソコンの一台にはテレビジョン放送の受信機能が組み込まれています。パソコン本来のデータ処理をしながらバックグラウンドの放送を聴くことができるのは便利ですが、既存のテレビ受像機とくらべて操作性が著しく劣ります。洗練された既存のテレビ受像機のリモコン操作に慣れている多くの人たちにとって、パソコンでテレビを視聴する操作は非常にハードルが高いと思われます。
間もなく始まるロンドンオリンピックでは、電波に乗らないテレビジョン放送番組がインターネットで流されるということです。これは歓迎すべき画期的なことですが、テレビ視聴者の大部分が楽しめないことは残念です。メディアの融合すなわち”マルチメディア”をどのように実現するのかということが改めて問われています。
都丸敬介(2012年6月20日)
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