なんでもマルチメディア(617):ストーンヘンジ

ロンドンの西に約120km離れた、ソールズベリー平原の平坦な麦畑の中に、巨大な石の遺跡ストーンヘンジがあります。この遺跡はいくつもの謎に包まれている、世界的なミステリーの1つとされています。

stone1.jpg これは、石を円形に並べた単純な構成(写真1:解説書から引用)ですが、?構築の目的は何か、?巨大な石をどこから、どうやって運んだのか、?柱のように立っている石の上に、マグサ石という梁のような石をどうやってのせたのか(写真?)、といった謎を解明するために、多くの学者が挑戦しています。

 この遺跡が構築されたのは、紀元前1900年から1600年までの間とされています。これはエジプトのピラミッド建設の1000年後の時期です。

stone2.jpg 石の円から少し離れたところに、ヒール・ストーンという大きな石が1つあります(写真?)。この石は、長さが6.1mで、推定重量は35トンです。柱のように立っている石の重量は、平均30トン、最大50トンというものです。この石材は、ストーンヘンジの近くにはなく、約200km離れた場所から運ばれたというのが定説になっていますが、どうやって運んだのかは分からないようです。

 ストーンヘンジの役割は、宗教的なものという説と、天文学に関係するという説があります。石の円の中心から見ると、夏至の太陽がヒール・ストーンから昇ることが、両方の説の根拠になっています。

stone3.jpg1960年年代に、英国生まれの天文学者ジェラルド・S・ホーキンズがコンピューターを使って、ストーンヘンジから見た、紀元前1500年の太陽と月の出入り時刻を計算しました。そして、ストーンヘンジ全体が、厳密に計算された、太陽と月の観測設備だという論文を発表しました。

 私は1980年代のある日曜日に、ロンドン発の1日観光バスに乗って、ストーンヘンジに行きました。写真で見た感覚とは違う石の重量感に圧倒されましたが、それ以上に、周囲の広々とした麦畑に、日本では味わえない空気を感じました。

都丸敬介(2010年1月11日)

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