なんでもマルチメディア(618):電子書籍端末

先週、米アップルが発表した電子書籍端末iPadが大きな話題になりました。10年以上前から、話題になりながら書店の片隅にうずくまっていた電子書籍端末が、ようやく日の目を見ることができるようになるのかな、という感じがします。iPadの画面の動きを見ると、昨年このコラムに書いたFlib(なんでもマルチメディア(614))のページめくりの感じによく似ています。

 

 小説や絵本、マンガといった、一般の書店で売られている本のほかに、学会の論文誌のような専門的な書籍も電子出版が急増しています。これらの電子書籍はインターネット接続したパソコンで読めるので、電子書籍端末がなくても困りません。

 

 電子書籍を読んでいて、いつになったら手書きのメモを、読んでいるページに書き込めるようになるのかなということを考えます。小説にメモを書き込む人は少ないかもしれませんが、学生や研究者の多くは教科書や文献にメモを書き込んでいます。本箱の中で20年〜30年ほこりを被っていた本をめくって、自分で書いたメモに出会うと、その本を一生懸命に読んだときのことを思い出すことがあります。単に感慨にふけるだけでなく、新たな発見や思考の飛躍のきっかけになります。

 

 電子書籍端末で読んでいる本のページにメモを書き込めるようになったとして、その本をどこにどのように保管するのかということも大きな問題です。メモ書きしたページは個人的なものです。これを公開することなく、数十年後にも書いた人が簡単に見られるようにすることは、重要な研究課題といえます。

 

都丸敬介(201023)

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