なんでもマルチメディア(571):有効期限

2008914日に全日空の国内線発券システムで障害が発生して、合計63便が欠航するという大きなトラブルがありました。18日に発表された障害の原因説明によると、発券端末の起動時に端末の正当性を確認する端末管理用サーバーの有効期限が切れたのに気がつかなかったためだということです。

 新聞やインターネット上の解説記事ではトラブルの原因の詳しいことがわかりませんが、システム運用部門とシステム提供者の両方に初歩的な問題意識の欠如があったと考えられます。情報システムの安全性を維持するためにユーザーのパスワードに有効期限を設けることや、不正使用を防ぐためにレンタルあるいはリースシステムに使用期限を設けることが一般的におこなわれています。

 定期的にユーザーのパスワードを変更することを義務づけている情報システムの多くは、使っているパスワードの有効期限切れが近づくと自動的に警告がでます。また、ユーザーに対して定期的なパスワード変更を義務づけるようなシステムの運用担当者は、自動的に警告が出るか出ないかということをシステム導入時に確認するのが常識です。システム提供者にはこうした機能の有無を説明する責任があります。

 私たちの身の回りにも、運転免許証や保険契約、クレジットカードなど、有効期限が設定されていることがいろいろあります。全日空は有効期限が設定されている全機能を9月末までに調査するということですが、私たちも気をつけなければなりません。

都丸敬介(2008.9.21

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