なんでもマルチメディア(565):インターネット利用健全化のきざし

インターネットの普及に伴って、これを悪用する犯罪行為や新しい社会問題がエスカレートしていますが、最近、こうした問題を是正して利用の健全化に向かう流れが始まったようだと感じたことがあります。

 その1つが、有害情報を提供しているウェブ・サイトへのアクセスを規制するフィルタリング・サービスの効果です。8月1日の日経産業新聞によると、インターネットに情報を提供している企業のウェブ・サイトが、いわゆる勝手サイトから公式サイトに回帰するきざしが見えるということです。

悪質の勝手サイトをインターネット社会から締め出すことは望ましいことです。ただし、良質の勝手サイトを締め出さないことも大切です。このことの実現方法は大きな技術課題です。

 もう1つは、匿名を排除して実名登録を基本とするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が米国で急成長しているということです。インターネットの商用サービスが始まる前から使われていたパソコン通信の電子メールでも匿名ユーザーが多く、電子メールでは匿名を使うのが基本だといった誤解すらありました。

 情報化社会の健全性を保つための基本は、情報源と情報内容の信頼性が高いことです。これは古典的な問題ですが、情報通信技術の発達によって信頼性の偽装が容易になったために、情報化社会の病の進行が加速してきたといえます。このような行き過ぎを是正する動きを多くの人たちに知らせる必要性があります。

都丸敬介(2008.8.3

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