視聴できるテレビジョンのチャンネル数が30〜50程度になると、見たい番組を探すのが難しくなります。そこで、テレビ受像機やインターネット接続したパソコンに番組を表示するEPG(電子番組ガイド)が1990年代後半に生まれましたが、これを日常的に利用している人はあまり多くないようです。
NGN(次世代ネットワーク)のようなブロードバンド情報流通基盤が普及すると、視聴できるチャンネル数がさらに増えるだけでなく、VoD(ビデオ・オン・デマンド)サービスで視聴できる番組数が飛躍的に多くなります。こうした潮流に対応する新しいEPGの開発が活発になってきました。
インターネットの世界ですぐれたキーワード検索技術を武器にしたグーグルが飛躍的な発展を遂げたように、次世代EPGの分野では、キーワード検索と画像コンテンツ検索を組み合わせた、すぐれた視聴ガイドサービスを実現する企業の成功が考えられます。
公表されている最近のEPG技術やサービスの内容からは、まだ画期的な発想やその実現手段を裏付ける要素技術が見えません。画像コンテンツを検索する技術の国際標準にMPEG-7という規格がありますが、この技術だけでは次世代EPGを実現できそうもありません。近い将来、何が起こり、どのような評価を得るのか、興味深いことです。
都丸敬介(2008.8.25)
スポンサーリンク