海外旅行のアルバムを見ていると、泊まったホテルのことを昨日の出来事のように思い出すことがあります。はっきり思い出すホテルに共通しているのは、その場所にマッチした特徴を備えていることです。
フランスのブルターニュ地方にあるフランステレコムのラニオン研究所を訪問したときに、フランステレコムが手配してくれたのが港町ブレストの個人経営の小さなホテル(写真)です。到着したときに、気に入った部屋を選びなさいといって、いくつかの部屋を案内してくれました。翌朝、早い時間の列車に乗るというと、夕食後に翌日の朝食を部屋に運んできて、タクシーを手配しておいたから、裏口から黙って出ていくようにとのことでした。この気配りには感激しました。
1972年にミラノで開かれた国際会議に参加したとき、週末の休日を利用して、スイスのツェルマットにマッターホルンを見に行きました。ミラノを朝出発した列車がシンプロン・トンネルを通ってスイスに入り、一度乗り換えてツェルマットについたときには午後3時を過ぎていました。駅の近くの喫茶店の従業員に紹介してもらった宿は、家族経営の小さなペンションでした。日本人が泊まるのは初めてだということで、好奇心が旺盛な10歳くらいの男の子がつききりで話しかけ、町を案内してくれました。
このときは、夕方のわずかな時間しかマッターホルンが見えませんでしたが、2001年にツェルマットに数泊したときは、毎日部屋のテラスからマッターホルンを眺めて堪能しました(写真)。
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