なんでもマルチメディア(532):人体通信

今日(2007年12月9日)の日本経済新聞第1面に「人体通信 実用化へ」という見出しの記事がありました。人体を通して電気通信の信号を伝える人体通信の研究は1990年代から行われていて、2004年にはこの技術を応用した製品が発売されています。これまでに発表された人体通信技術には複数の異なる方式があり、いろいろな応用分野が考えられていますが、まだ応用製品が普及する状態にはなっていないようです。
 人体通信は人の手や体の一部が触れることでデータを伝える近距離通信です。この分野では、無線通信技術を利用するBAN(ボディ・エリア・ネットワーク)の研究開発も行われています。利用面からみた近距離無線通信と人体通信の大きな違いは、人体通信は情報漏洩の危険が非常に小さいことです。情報の送り手と受け手が握手をするだけで正確な情報が伝えられ、その内容が第3者に漏れることがないといった、スパイ小説に出てくるようなことが可能です。
 情報漏洩に対して安全だということは、外部からの通信妨害の影響を受けにくいということになります。健康の管理や維持のためのデータ収集手段として、身体に付けた超小型無線センサーを利用する技術の開発が以前から行われています。人体通信技術はこの分野で優れた機能を発揮するかもしれません。今後の研究の進展に興味があります。
都丸敬介(2007.12.9)

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