なんでもマルチメディア(534):ARPUの推移

 5年ほど前、あるセミナーでNTTドコモの幹部が「現在のARPU(1ユーザー当たりの平均収入)は8千円程度であり、これを1万円にもっていくのが最大の重点課題だ」という主旨の講演をしたのを聴いたことがあります。
 最近目にした、携帯電話大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)のARPUの推移を見ると、各社共に2002年度から2006年度にかけてARPUの減少が続いています。2002年度には8千円を上回っていたNTTドコモのARPUは2006年度には約7千円に低下しています。KDDIの値はNTTドコモと同程度ですが、ソフトバンクモバイルの2006年度の値は6千円程度です。
 ARPUは平均値ですから、この値だけではユーザーの状況はほとんど分かりません。手元にデータがないので正確ではありませんが、1980年代中頃のNTTの電話サービスのARPUは7千円程度であり、平均値以上の使用料を払っているユーザー数が25%程度だったと記憶しています。つまり、25%のユーザーが残りの75%のユーザーを支えることで、全国的な電話サービス事業が成り立っていたということになります。
 携帯電話ユーザー数の増加が続いているけれどもARPUは低下している、そして固定電話ユーザー数の減少が続いているという状況を背景にして、情報通信サービス事業者がARPUの改善にどう取り組むのか、願望ではなく具体策に興味があります。
都丸敬介(2007.12.25)

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