世界的な異常気象が続き、地球の温暖化対策の議論が一段と活発になってきましたが、パソコンやインターネットの世界的な普及によって、全世界の電力消費量がどれだけ増えたのかというデータを見かけたことがありません。インターネットでパソコンの消費電力関係の情報を検索すると、電気料金がいくらかかるかという記事が大部分であり、冷蔵庫を始めとする家電機器と比べると、パソコンの電気代はかなり少ないという指摘で終わっています。
最近のパソコンは、ブロードバンド・インターネット・サービスと連携する情報家電製品への変化が顕著に進んでいます。こうなると、ユーザーが直接支出する電気代だけでなく、情報通信ネットワーク全体の消費電力量を考えなければなりません。
技術の進歩と設計者の努力によって、機能の大幅な向上にもかかわらず、個々のパソコンの消費電力は減ってきました。それでもなお、必要以上にエネルギーを消費していると考えられる部分があります。その一つが、ソフトウェアの肥大化に伴うことです。大部分のユーザーが使うことがないような機能によって、飛躍的に大規模なったソフトウェアを組み込んだときに性能が低下するのを防ぐために、ハードウェアの高性能化が進んでいますが、これは消費電力の増加の原因になります。1台のパソコンの消費電力の増加分は僅かでも、莫大な数のパソコンの総消費電力の増分は無視できないはずです。
都丸敬介(2007.3.5)
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