マイクロソフト社の創業者で世界一の富豪になったビル・ゲイツが52才の若さで事業の第一線から引退したことが大きな話題になりました。この見事な引き際を産業界のリーダーだけでなく政治家にも見習って欲しいと感じている人が多いことと思います。
ゲイツは天才プログラマーといわれていますが、技術力ではゲイツと同程度あるいはそれ以上の人たちが少なくありません。ゲイツが突出したのはビジネスの着眼点とそれを実行する行動力にあったことが指摘されています。
マイクロソフトが1990年代に大きく飛躍した原動力は、すべてのパソコンに必要なオペレーティング・システムとして、ウインドウズの開発と販売の成功したことです。ウインドウズの開発のすさまじい状況が、「闘うプログラマー:ビル・ゲイツの野望を担った男たち(G・パスカリ・ザカリー著、日経BP出版センター発行、1994年)」という本に詳しく描かれています。
昨年発売されたウインドウズ・ビスタは今後も使い続けられるでしょうが、アプリケーション・プログラムにはいろいろ問題があります。看板商品のワード2007やエクセル2007の使いにくさを補完するプログラムを他社が開発して売っているという事実をマイクロソフトはどう受け止めているのでしょうか。
ゲイツの引退は情報産業の地殻変動のきっかけになるように思えます。
都丸敬介(2008.6.30)
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