6月14日(木)
朝7時半出発。ブルターニュ地方の北西部に広がるアレー丘陵の北縁を一路西に向かって走る。ゆるやかな起伏の森や畑が美しい。
ブルターニュ最西部の町ブレストの手前50kmほどの場所にあるギミリオ(Guimiliau)とサン・テゴネック(Saint-Thegonnec)の2箇所で、中世の教会を見学。教会の建物や墓地をまとめて聖堂囲い地というらしい。
教会の庭にある、カルヴェール(Calvaire)という、聖書の物語を解説した石の彫刻が面白い。聖書を読めない人たちに説明するために作られたもので、紙芝居の絵をつなぎ合わせたような絵物語になっている。人物の表情が軟らかい。カルヴェールの語源は、キリスト受難の地とされているゴルゴダの丘である。教会内陣の飾りも見事で、大衆に根付いた宗教を実感する。
昼食後、フランス最西端のラ岬(ラー岬、またはラズ岬、pointe-du-Raz)に行った。駐車場から岬の突端までは1kmほどある。草原と灌木に覆われた岬には軍の監視塔があり、岬から少し離れた小島に灯台が建っていた。この地域の県名はフィ二ステール(最果ての地)だという。
歩き始めたときに雨が降り始めた。大西洋から吹き付ける横殴りの雨の中をしばらく歩く。雨は20分ほどでおさまった。駐車場と監視塔の間に10分間隔で無料の電気バスが運行されているが、帰路も花を見ながら歩いた。この岬には年間100万人の観光客が訪れるという。
午後6時頃、ブルターニュ地方最大の町カンペールのホテル「オセアニア」に到着。町の中心から少し離れた高台の森の中にある。
都丸敬介(2007.7.25)
スポンサーリンク