なんでもマルチメディア(623):イタリアの中の小さな国

ita1.JPG2010430日、ミラノから350km離れたサン・マリノに日帰りで行ってきました。サン・マリノは鉄道の幹線から離れていて交通が不便なので、1泊することも考えましたが、旅行会社と相談した結果、運転手つきの車をチャーターして、往復700kmのドライブをしました。

 サン・マリノは4世紀に出現した世界最古の共和国で、現在の人口は31 千人です。1970年代の文献では世界の最小国になっていましたが、インターネットで調べると、現在は国連加盟国の中では小さいほうから5番目になっています。

サン・マリノはアドリア海から10km離れた平地にそそり立つ標高730mの山の上にあります。高速道路から離れてジグザグ状のかなり勾配がある道を上った標高600mのあたりに城壁があり、この城壁の内側全体が世界遺産になっています。

 

ita2.JPG城門を入ると、ホテルやレストラン、みやげ物店が連なっています。写真?は、93日の建国記念日に、参加者全員が4世紀の衣装を着て集まり、地区対抗の弓の競技をおこなう競技場です。手前の3つの台が弓を射る場所です。

アドリア海側が切り立っている狭い尾根に3つの砦があります。写真?は最高地点にある最大の砦です。写真?はアドリア海側の景色で、見晴らしが良い日にはクロアチアまでよく見えるということです。この写真にもかすかに船が見えます。気候がよく、景色が美しく、食べ物がおいしいサン・マリノは,期待どおりの素晴らしい場所でした。

 

 

ita3.JPG都丸敬介(2010521)

なんでもマルチメディア(622):フィレンツェ散歩

2010428日、カメラだけをぶらさげて、ミラノからフィレンツェに日帰りで行ってきました。ミラノとフィレンツェは300km離れていますが、200912月に開通した高速鉄道のユーロスター・イタリアを利用すると、片道1時間45分です。全席座席指定なので、ミラノ発915分でフィレンツェ着11時と、フィレンツェ発18時でミラノ着1945分の切符を日本で買っておきました。フィレンツェの中心部は駅から歩いて行ける距離なので、たっぷり歩き回って、明るいうちにミラノに帰ってきました。fire1.JPG

クーポラと呼ぶ有名なドーム状の屋根があるドゥオーモ(大聖堂)(写真?)の中は単純な構造で、ステンドグラスがなければ大講堂のような感じです。右側の八角堂「サン・ジョヴァンニ礼拝堂」は11世紀の建物です。

ドゥオーモから300mほど離れた、市庁舎になっているヴェッキオ宮殿前の広場で、プラカードを掲げ、ブラスバンドが続く行列に出会いました。ヴェッキオ宮殿の前にはミケランジェロの最高傑作といわれる「ダヴィデ像」の複製があります?。実物はドゥオーモから300mほどのアカデミア美術館の中にあります。

 

fire2.JPGヴェッキオ宮殿に隣接した、フィレンツェ最大の美術館「ウフィツィ美術館」の入り口を通り過ぎてアルノ川に出て、ヴェッキオ橋を見ました(写真?)。橋の上に店が並んでいます。ヴェッキオ橋の先にいくつもの橋が並んでいる景色は、フィレンツェの写真でよく見かけるものです

ウフィツィ美術館にはルネッサンスの巨匠たちの絵画や彫刻がたくさん並んでいます。キリスト教に関するものが多く、ルーブル美術館のような華やかさを感じません。ボッティチェルリの「ヴィーナスの誕生」と「三美神」はこの美術館の目玉だけのことがありますが、美術本で見慣れた色彩よりもくすんでいました。この美術館で3時間ほどの時間を過ごしたあと、初夏のような暑い日差しを感じながら飲んだビールは格別でした。

 

 

fire3.JPG都丸敬介(2010515)

なんでもマルチメディア(621):ミラノの今

 今年(2010年)4月26日から5月2日までミラノに滞在して、春のイタリアを楽しんできました。ミラノに最初に行ったのは1972年です。このときはコンピューター技術の国際標準化委員会に出席することが目的でした。その後も何度かミラノを通過しましたが、町の中をゆっくり見て歩く時間はありませんでした。

 

milan1.jpg ミラノの中心は135本の尖塔が林立する大聖堂ドゥオーモです(写真1)。内部では多くの太い石の柱の重量感に圧倒されます。ステンドグラスも見事です。1900年代の最後のころから2000年代初期にかけて行われた長期間の修復作業が終わって、輝くようにきれいになったドゥオーモの姿を見ることができました。この改修工事で屋根に上るエレベーターが設置されたので、大きな石の板で葺いた屋根の上を歩き回ることができました(写真2)。

 

milan2.jpg レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」の壁画があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂は、1回の入場人数と見学時間が厳しく制限されています。入場券の窓口で聞いたところ、2週間先まで売り切れているということでした。ホテルにおいてある半日市内観光バスのパンフレットには、「最後の晩餐」見学保証とありましたから、観光旅行業者が買い占めているのかもしれません。1972年には予約なしで入場でき、いろいろな角度からゆっくり見ることができました。

milan3.JPG 

  この教会の近くにあるレオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館にはこの絵の実物大複製があります(写真3)。オリジナルとは建物の雰囲気が違いますが、絵をゆっくり鑑賞できます。この博物館にはマルコーニの電信機械をはじめとする、通信技術や、鉄道、航空機、生物科学など、広範囲の展示があります。学習実験室がいくつもあり、子供たちが熱心に勉強していました。

都丸敬介(201055)