なんでもマルチメディア(612):見えてきたクラウド・コンピューティング

インターネットの新しい利用方法として、クラウド・コンピューティングという言

葉が盛んに使われていますが、説明の多くは抽象的であり実態は「雲の中」でした。

その解釈や利用方法は多岐にわたるようですが、具体例として、SaaS(ソフトウェ

ア・アズ・ア・サービス)、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、HaaS

(ハードウェア・アズ・ア・サービス)といった、大規模データセンターを利用する

サービスが始まりました。

 

 このことはインターネットの原点への回帰ともいえます。1969年にスタートしたイ

ンターネットのルーツであるARPANETは、パケット交換技術を使う、複数のコン

ピューターセンターの相互利用ネットワークです。その後、電子メールの利用が拡大

しましたが、ARPANETの通信プロトコルがIPに切り替えられて、インターネットとい

う言葉が使われるようになった1983年以降も利用方法の大きな変化は見られませんで

した。

 

 1990年代にWWWの標準技術やブラウザーが開発されて、インターネットの利用方法

の主流が変わってきました。また、ユーザー端末として使われているパソコンの機能

向上や通信回線の高速化といった利用環境の変化が急速に進みました。

 

 これらのことを背景とする、クラウド・コンピューティングの中核であるデータセ

ンターの革命的な変化は注目すべきことです。グーグルのデータセンターに収容され

ているサーバーの総数は300万台を超えているという報道があります。このような状

態に日本の産業や政策がどう対処するかということは重要な課題です。

 

都丸敬介(2009.9.28)

なんでもマルチメディア(611):拡張現実

今年(2009年)になってから、新聞や雑誌で拡張現実(AR)関係の記事が頻繁に目

につくようになりました。オーソライズされた定義は不明ですが、一般的な拡張現実

の意味は「現実の映像にコンピューターで情報を付加して合成表示することによっ

て、表現する情報を拡張すること」です。

 

 1990年代に発達した仮想現実(VR)でも現実の映像と人工的な映像の合成が行われ

ています。このためか、VRARの区別が判然としない解説も見られます。VRARの基

本的な違いは、現実情報と仮想情報の比率の差にあるという指摘があります。VRは仮

想情報の割合が支配的に大きいが、ARは現実情報が主体であるということです。

 

 ARの代表的なデモンストレーション例として、携帯電話のカメラを特定の建物に向

けると、その建物の名前や番地、入居者の名称などの情報が映像に重ねて表示される

というのがあります。専用のメガネをかけて街中の看板を見ると、看板には表示され

ていない情報が付加的に表示されるというのもあります。

 

 AR技術の応用研究がこれから広い分野で進むと思われますが、多くの人の日常生活

に密着した利便性の向上に役立つことを期待します。たとえば、家電製品の取扱説明

書を見なくても、専用メガネをかけて、操作しようとする箇所を見ると、操作方法が

わかるといったことです。家電製品ごとに付いているリモコンを、メーカーに関係な

1種類の万能的なものにする研究と技術の標準化にもAR技術を生かせるのではない

かと考えます。

 

都丸敬介(2009.9.22)

なんでもマルチメディア(610):カナダの紅葉

紅葉の季節になりました。

 

 私が代表を務めているボランティア活動のシニアパソコン教室では、すでに終了し

た受講者を含めて、受講者とスタッフをメンバーとするメーリングリスト(ML)を

使って情報交流を行っています。

 

 私は今年の3月から、このMLに、「話の種」というタイトルで、1ページにまとめ

た写真入り旅行記を書いて配っています。今回は昨日配った「カナダの紅葉」の文書

を添付ファイルで送ります。
Autumnal leaves in canada .doc

 

 受講者の皆さんも楽しみにしていて、取り上げた話題についての思い出話をたくさ

ん頂いています。

 

都丸敬介(2009.9.7)