なんでもマルチメディア(612):見えてきたクラウド・コンピューティング

インターネットの新しい利用方法として、クラウド・コンピューティングという言

葉が盛んに使われていますが、説明の多くは抽象的であり実態は「雲の中」でした。

その解釈や利用方法は多岐にわたるようですが、具体例として、SaaS(ソフトウェ

ア・アズ・ア・サービス)、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、HaaS

(ハードウェア・アズ・ア・サービス)といった、大規模データセンターを利用する

サービスが始まりました。

 

 このことはインターネットの原点への回帰ともいえます。1969年にスタートしたイ

ンターネットのルーツであるARPANETは、パケット交換技術を使う、複数のコン

ピューターセンターの相互利用ネットワークです。その後、電子メールの利用が拡大

しましたが、ARPANETの通信プロトコルがIPに切り替えられて、インターネットとい

う言葉が使われるようになった1983年以降も利用方法の大きな変化は見られませんで

した。

 

 1990年代にWWWの標準技術やブラウザーが開発されて、インターネットの利用方法

の主流が変わってきました。また、ユーザー端末として使われているパソコンの機能

向上や通信回線の高速化といった利用環境の変化が急速に進みました。

 

 これらのことを背景とする、クラウド・コンピューティングの中核であるデータセ

ンターの革命的な変化は注目すべきことです。グーグルのデータセンターに収容され

ているサーバーの総数は300万台を超えているという報道があります。このような状

態に日本の産業や政策がどう対処するかということは重要な課題です。

 

都丸敬介(2009.9.28)

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