なんでもマルチメディア(597):喜寿に想う

古巣NTTの本社OB会から、喜寿を迎えた記念品をくださるという連絡を頂きまし

た。私は昭和8年(1933年)生まれの76才なので、ピンとこなかったのですが、数

え年齢だと今年が77才ということになります。

 

 子供の頃、祖父の喜寿の祝いに大勢の人が集まったことがありますが、その頃は7

7才まで生きるのは大変だったのかもしれません。今では後期高齢者が増え続けてお

り、77才はとくにお祝いをする年齢でもないと感じています。あと何年生きるのか

わかりませんが、生への執着も死への恐れも全くありません。健康で、やりたいこと

ができることを幸せと感じています。

 

 3年前から指導をしているシニアのパソコン教室に、最近82才の新入生が加わり

ました。家族全員がパソコンを使っているけれども、だれも使い方を教えてくれない

ので、教室で学習することにしたというのです。この心意気には私自身が見習うこと

があります。

 

 過日、本屋で「Wordでパソコン絵画を楽しもう」という、2009年3月出版の本

を見つけました。WordExcelなどのパソコン用ソフトウエアに組み込まれている図

形描画機能を使って絵を描く方法と楽しさを解説した本です。著者は大正末期の生ま

れということです。著者の作品のほかに「マウスアート同好会」という仲間の見事な

作品が多数紹介されています。こうした例に見られるように、パソコンにはいろいろ

な使い方があります。

 

 私もシニアパソコン教室の学習テーマとして図形描画や写真の加工を取り上げてい

ます。テキストを作っている課程で次々に新しい発見があり、自分自身の学習を楽し

んでいます。

 

都丸敬介(2009.4.27)

なんでもマルチメディア(596):情報通信サービスの融合とユーザー識別

2005年頃から、固定電話と携帯電話の融合(FMC)や通信と放送の融合など、情報通

信サービスの融合が具体的に始まりました。また、サービス融合とは若干違うニュア

ンスで、ユニファイド・コミュニケーション(UC)という言葉が使われています。こ

うしたことが具体化してきた背景には、光ファイバー通信技術、無線通信技術、デー

タ処理技術、小型端末機器の製造技術、セキュリティ技術などが、同時に進んでいる

ことがあります。

 しかし、情報通信サービスの融合あるいは統合は始まったばかりであり、理想的な

姿も、それを実現するために解決すべき課題もまだ明確になっていません。情報通信

サービス設計の基本の一つであり、サービス統合のために改めて見直す必要がある課

題にユーザー識別方法があります。たとえば、既存の電話番号や電子メールアドレ

ス、情報源の識別名(URLあるいはURI)などをどのように扱うかということです。

 電話番号については、ナンバー・ポータビリティ、SIMカード、ENUM(電話番号と

IPアドレスを対応づける方法)などの技術が実用化されていますが、適用できる範囲

は限定的です。情報通信サービスのユーザー識別対象は、ユーザー個人、ユーザーが

使っている端末、サービス利用契約者など、いろいろな考え方があります。特定の

サービス事業者あるいは国内のサービスに限らず、グローバルなサービス融合を考え

ると、汎用的なユーザー識別方法をどうするのかということは重要な問題ですが、ど

のようになるのかまだ見えていません。

都丸敬介(2009.4.20)

なんでもマルチメディア(595):スイスの高山植物園


alpsflw1.jpg 

20016月、スイスの山岳観光の中心地のひとつインターラーケン郊外にあるブリ

エンツ湖畔のホテルに数日滞在して、天候を見ながら行き先を決める、気ままなハイ

キングを楽しみました。

 

 好天気に恵まれて、雲ひとつないユングフラウやアイガーといった名山を楽しんだ

後のある日、朝起きると強い雨が降っていました。けれども8時ごろには雨が弱くな

り、ときどき薄日が差すようになりました。そこで、鉄道、ケーブルカー、ロープウ

エイを乗り継いでシルトホルン(2,971m)の山頂に行きました。


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 ここは1969年に作られた映画「女王陛下の007」のロケ地であり、訪ねてみた

かった場所です。大きな展望台の売店には007グッズのコーナーがありました。霧

に包まれた展望台のカウンターで飲んだコーヒーが暖かかったことを今も覚えていま

す。

 

 インターラーケンへの帰路、ヴィルダースヴィルという駅で登山電車に乗り換え

て、シーニゲ・プラッテという標高1,967mの展望台がある場所に行きました。ここに

は広い高山植物園アルペンガルテンがあります。アルプスの山々は見えませんでした

が、多くの種類のアルプスの花を楽しむことができました。高山に咲く花はみな可憐

で色が鮮やかです。


alpsflw3.jpg 

 オーストリアで出版された高山植物の本によると、標高約1,700mを境にして、それ

よりも高地で咲く花をアルプスの花、それ以下の標高の場所で咲く花を草原の草花と

呼ぶそうです。

 

 この高山植物園で写した花の写真を数枚添付します。みな、国内の山歩きをしてい

た頃には見かけなかった花です。

 

 


alpsflw4.jpg都丸敬介(2009.4.14)

 

なんでもマルチメディア(594):エルサレム

2000年以上にわたって紛争が絶えないイスラエルの首都テルアビブで、198810

に国際コンピューター通信会議が開かれました。このとき、会議参加者のために用意

されたバスツアーでエルサレムとベツレヘムを訪ねたことは、今となっては実現が難

しい貴重な体験になりました。このときの印象記します。

 



is-iwanodome.jpg テルアビブからエルサレムまでの距離は60km強で、片側2−3車線の高速道路でつ

ながっています。途中、山の中の道ばたに中東戦争時代のトラックの残骸が転がって

いました。緊張感を保つために撤去しないのだそうです。

 

 エルサレムの街は、遠くから見ると白い山肌と建物の見分けがつかない、遺跡のよ

うな丘陵です。そして、城壁に囲まれた旧市街は、信仰と生活が混在している活気が

感じられます。すべての建物が石造りで、何度も破壊と再構築が繰り返されたため

か、無秩序であり、狭い路地の店はきわめて東洋的です。しかし、新しいエルサレム

の市街は立派な建物が整然と並び、優雅で裕福に見えました。

 


 旧市街の中心にある有名な岩のドーム(写真1)は燦然と輝き、嘆きの壁(写真2

には多くの人が頭をつけて祈っていました。嘆きの壁の内側にあるトンネルにはユダ

ヤ教徒しか入れないということで、入り口でユダヤ教徒がかぶる丸い帽子をかぶって

入りました。

 


is-nagekinokabe.jpg ベツレヘムも丘の町です。キリスト生誕の場所といわれる聖誕教会のなかに、生ま

れたばかりの子供の像が祭られていました(写真3)。すごく生々しい感じでした。

現在、この場所はパレスチナ自治区にあり、簡単には行けないようです。

 


is-seitankyoukai.jpg都丸敬介
(2009.4.6)