なんでもマルチメディア(585):ディジタル・シネマ

映画館で上映する映画の配給を、フィルムの輸送から通信回線によるディジタル伝
送に切換える、ディジタル・シネマ配信が具体化してきました。東宝と角川が今年か
ら映画館にディジタル・シネマ機器の導入を始めて、2012年までに、全スクリーンを
ディジタル化するということです。
カラオケの分野で、通信回線としてISDNを利用する通信カラオケが出現した
のが1992年です。そして、ディジタル・シネマについては、2001年にNTTが最初の配
信実験をおこない、2004年に東京国際映画祭で本格的な上映がおこなわれました。
 通信カラオケが成功した背景には、モデムを使うデータ伝送よりも高速で、通信品
質が安定しているISDNの普及があります。そして、ディジタル・シネマの実用化の背
景には通信品質が良いブロードバンドサービスであるNGN(次世代ネットワーク)の
商用サービス開始があります。
 ディジタル・シネマの標準技術規格であるDCI(ディジタル・シネマ・イニシア
ティブ)の4K規格は、画素数800万(横4,096×縦2,160)です。不正コピー防止のた
めに、映画館に配信するデータを暗号化し、盗撮対策として、盗撮がおこなわれた時
刻と場所を特定できる電子透かしを埋め込むといった機能が組み込まれています。
 この規格の技術であれば、光ファイバー回線を引き込んだ家庭のパソコンでも対応
できるはずです。家でDVDの映画を楽しんでいる多くの人たちが、映画館で上映され
ている新しい映画を家で楽しめる時代が迫ってきました。
都丸敬介(2009.1.25)

なんでもマルチメディア(584):年賀状の季節

1月も後半に入り、年賀状の季節が終わりました。今年もたくさんの年賀状を頂戴

しましたが、喪に服しておられるとの連絡も少なからずありました。私自身70代後半

の後期高齢者ですから、いつ知人の住所録から私の名前が消えてもおかしくないので

すが、私の住所録から親しかった人の名前を削除するのは悲しいことです。

 一方では、最近知り合った人たちからの年賀状で、いくつもの新たな喜びをいただ

きました。指導をしているシニアパソコン教室の受講者で、昨年は手書きの年賀状を

頂いた方から、今年は見事な写真入り年賀状やイラスト入り年賀状をいただきまし

た。昨年の9月にパソコンの学習を始めた人からいただいた、「パソコンで年賀状を

作れました」というメッセージからは喜びが伝わってきました。

 話が変わりますが、古い写真を復元する講座で、いくつかの感動的な出来事があり

ました。小学生時代の集合写真の一部を切り出して拡大していた受講者の一人が、元

の写真では判別できなかった友人たちの顔を見ているうちに、一人一人の名前を思い

出してなみだぐんでしましました。亡くなられたお母様の一枚しかない写真を復元、

複製して姉妹に送り喜ばれたという人や、数代にわたる家族の写真を一枚にまとめた

人がいます。

 シニア世代の人たちの感性とチャレンジ精神に、あらためて感心しています。

都丸敬介(2009.1.18)

なんでもマルチメディア(583):中国の古典

明けましておめでとうございます。

 最近中国では論語をはじめとする古典を勉強する「国学」が盛んになっているとい

うことです。1980年代に中国のコンピューター研究所で数日の講座の講師をしたこと

があります。そのとき、論語の中のいくつかの有名な言葉を引用したところ、大部分

の受講者は知りませんでした。その場で司会者が、引用した言葉の解説をしたことが

強く印象に残っています。後で知ったことですが、文化大革命で中国古典の勉強が禁

止されたことの影響だったようです。

 私は40代の後半から50代の前半にかけて、中国の古典を読みあさったことがありま

す。今でも手元に残っている何冊かの本をときどき拾い読みしています。中でも菜根

譚が気に入っています。1984年に発行された、守屋洋著「中国古典の人間学」による

と、「菜根譚は、江戸時代から現代まで広く日本人に愛読されてきた中国古典」だと

いうことです。守屋氏は「しっかりと自分の立場を確立して外物に支配されなけれ

ば、成功したところで有頂天になることもないし、失敗したところでくよくよするこ

ともない。この世界、どこへ行っても悠々たる態度で対処することができる」という

言葉を解説しています。

 昨今のような混乱した時代になると、企業や組織の人材育成では「孫子」に出てく

るような戦略的なものごとの見方が強調される傾向があります。中国の国学ブームが

何を生み出すのか興味があります。

都丸敬介(2009.1.4)

なんでもマルチメディア(582):西インドの旅(3)

今回のインド旅行の最大の目的は、エローラの石窟群の中にあるカイラーサナータ

寺院を自分の目で見ることでした。エローラの石窟群は西インドの大都市オーランガ

バードから30kmほどの整備された幹線道路の脇にあります。

 この石窟群は、仏教の第1窟から第12窟、ヒンズー教の第13窟〜第29窟、ジャイナ

教の第30窟から第34窟の3グループに分かれています。石窟が掘られている断崖の前

は広い公園になっていて、日曜日のためか、サリーをまとった女性のグループや家族

連れ、小学生から高校生の団体などが沢山いました。

 大部分の石窟は断崖を側面から掘ったものですが、カイラーサナータ寺院は岩山を

掘り下げて、寺院の最上部から造ったという、信じられないような構造物です。高さ

35m、幅60m、奥行き90mの規模は圧倒的な重量感があります。8世紀半ばの756年に着

工し、100年以上の年月をかけてカナヅチとノミだけで作り上げたということです

が、これを作った人たちのエネルギーには敬服します。最初にどのような設計図があ

り、それが作業者全員にどのように伝えられたのか興味がありますが、ガイドブック

や現地で購入した解説書には何も記されていません。

 (写真:エローラ1)のように、この寺院は岩山を掘り下げたものなので、周りの

岩壁と同じ色をしています。このために、写真では全体の構図がよく分かりません、

そこで寺院の輪郭を切り抜いてみました(写真:エローラ2)。背景はオーランガ

バードからムンバイに向かう飛行機で写した雲の上の夕焼けです。

 

erola1.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

erola2.JPG都丸敬介(2008.12.29)