なんでもマルチメディア(585):ディジタル・シネマ

映画館で上映する映画の配給を、フィルムの輸送から通信回線によるディジタル伝
送に切換える、ディジタル・シネマ配信が具体化してきました。東宝と角川が今年か
ら映画館にディジタル・シネマ機器の導入を始めて、2012年までに、全スクリーンを
ディジタル化するということです。
カラオケの分野で、通信回線としてISDNを利用する通信カラオケが出現した
のが1992年です。そして、ディジタル・シネマについては、2001年にNTTが最初の配
信実験をおこない、2004年に東京国際映画祭で本格的な上映がおこなわれました。
 通信カラオケが成功した背景には、モデムを使うデータ伝送よりも高速で、通信品
質が安定しているISDNの普及があります。そして、ディジタル・シネマの実用化の背
景には通信品質が良いブロードバンドサービスであるNGN(次世代ネットワーク)の
商用サービス開始があります。
 ディジタル・シネマの標準技術規格であるDCI(ディジタル・シネマ・イニシア
ティブ)の4K規格は、画素数800万(横4,096×縦2,160)です。不正コピー防止のた
めに、映画館に配信するデータを暗号化し、盗撮対策として、盗撮がおこなわれた時
刻と場所を特定できる電子透かしを埋め込むといった機能が組み込まれています。
 この規格の技術であれば、光ファイバー回線を引き込んだ家庭のパソコンでも対応
できるはずです。家でDVDの映画を楽しんでいる多くの人たちが、映画館で上映され
ている新しい映画を家で楽しめる時代が迫ってきました。
都丸敬介(2009.1.25)

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