なんでもマルチメディア(583):中国の古典

明けましておめでとうございます。

 最近中国では論語をはじめとする古典を勉強する「国学」が盛んになっているとい

うことです。1980年代に中国のコンピューター研究所で数日の講座の講師をしたこと

があります。そのとき、論語の中のいくつかの有名な言葉を引用したところ、大部分

の受講者は知りませんでした。その場で司会者が、引用した言葉の解説をしたことが

強く印象に残っています。後で知ったことですが、文化大革命で中国古典の勉強が禁

止されたことの影響だったようです。

 私は40代の後半から50代の前半にかけて、中国の古典を読みあさったことがありま

す。今でも手元に残っている何冊かの本をときどき拾い読みしています。中でも菜根

譚が気に入っています。1984年に発行された、守屋洋著「中国古典の人間学」による

と、「菜根譚は、江戸時代から現代まで広く日本人に愛読されてきた中国古典」だと

いうことです。守屋氏は「しっかりと自分の立場を確立して外物に支配されなけれ

ば、成功したところで有頂天になることもないし、失敗したところでくよくよするこ

ともない。この世界、どこへ行っても悠々たる態度で対処することができる」という

言葉を解説しています。

 昨今のような混乱した時代になると、企業や組織の人材育成では「孫子」に出てく

るような戦略的なものごとの見方が強調される傾向があります。中国の国学ブームが

何を生み出すのか興味があります。

都丸敬介(2009.1.4)

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