なんでもマルチメディア(441):情感のコミュニケーション

情報通信関係では日本国内最大の学会である、電子情報通信学会の会誌の最新号(2006年1月)で、「情感のコミュニケーション」をテーマとする特集を組んでいます。「情感のコミュニケーション」の定義あるいは概念がはっきりしていないので、論文執筆者の視点がばらばらであり、そのこと自体が新しい問題を提起しているように思えます。
 ある人は「情感は、我々が伝え合う人間的・主観的な価値の領域まで踏み込んでコミュニケーションをとらえようとする概念である」と言い、他の人は「情感コミュニケーションとは心の通うコミュニケーションである」としています。論文に書かれて具体例には、臭覚や触覚を含む五感通信、絵画や音楽の感性情報、感覚器官障害や知的障害がある人のコミュニケーション支援などがあります。
 今年はモーツァルトの生誕250年ということで、モーツァルトの音楽が大きな話題になっています。特に、癒しの効果が注目されて、この効果を裏付ける科学的な分析も話題になっています。
 こうした分野の研究成果をビジネスに結びつけるのは簡単なことではありません。また、幅広い感性と好奇心、そして人生経験がないと、研究の方向付けをすることすら難しいかもしれません。けれども、いろいろな経験と考える時間をたっぷりもっている人たちで、じっくり議論をすると、面白いアウトプットが生まれるかもしれません。インターネットの仮想空間で、この分野の話題を議論したいですね。
都丸敬介(2006.01.15)

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