現在の小中学校の理科の授業で、日時計を使って時間を計る方法を教えているかどうか知りませんが、旅先で日時計に出会うことがよくあります。古い立派な日時計を見ると、それを作った人や時代の様子が目に見えてくるような気がします。
インドのデリーから250kmばかり離れたジャイプルに、世界一という巨大な日時計があります。天文学を勉強したマハラージャが1730年頃に建設したものです。高さは27.4mあるそうで、2秒単位で時刻を測ることができるということです。この日時計が設置されている場所は、当時の最先端天文観測所で、いろいろな興味深い観測機器があります。
時計といえば、ジュネーブの時計博物館で、柱時計の原型のような大きな木製の時計を見たことがあります。いくつもの木製歯車を組み合わせたもので、動力源は太い縄の先にあるおもりです。水車のような木製の輪の回りに、丸い棒を等間隔で埋め込んだ歯車がきちんと動いているのは見事でした。
こうしたものを見ていると、初めてこれを見た子供たちがどのように反応するのか興味がわいてきます。物心がついたときから、近代科学技術の粋をつくしたものに囲まれた環境で育つと、基本的な物事に対して反応しなくなるのか、それとも新鮮な感動を覚えるのか知りませんが、好奇心を示すことを願います。
ふと思いついて、手元の百科事典で時計の項を開いたところ、「時計という語は、英語のtimekeeperあるいはフランス語のgarde-tempsに相当する」という記述がありました。これで知識が一つ増えました。
都丸敬介(2005.09.25)
スポンサーリンク