なんでもマルチメディア(439):P-D-C-A

明けましておめでとうございます。今年一年の皆様のご健勝を祈念いたします。
 システム工学の基本に、計画(P:plan)?実行(D:do)?評価(S:see)を繰り返してシステムを改善するという、P-D-Sサイクルの考え方があります。最後のSをC (check) に置き換えてP-D-Cと表現することもあります。ところが、最近はCの後にA(action)を加えてP-D-C-Aとする説明が一般的になってきました。
 近年注目度が大きくなった、情報セキュリティの分野でもP-D-C-Aサイクルが重視されています。P-D-C-Aサイクルを実施するのに必要な多くの項目について、具体的な内容や実施方法がノウハウとして企業や技術者個人に蓄積されますが、標準的な技術者育成カリキュラムが確立した状態に達しているとはいえません。このことの背景には、情報セキュリティに関する情報を公表することが,不正行為者に対して攻撃目標や攻撃方法を教えることになるという危険があるからかもしれません。
 エンジニアリングの世界から離れて、昨年の後半に続発したいろいろな社会問題を見ていると、日常生活に関わる分野でのP-D-C-Aが機能していないように思えます。過日、テレビのニュース番組の中で、竹中総務大臣がP-D-C-Aという言葉を使っていました。話の内容は覚えていませんが、経済学の分野でもこの言葉を使っているのかな、とふと思いました。計画の立案に熱心になるだけでなく、実施結果の厳しい評価とそのフィードバックに情熱を傾ける人が重視される社会の確立を期待したいと、年の初めに思いました。
都丸敬介(2006.01.01)

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